6機関代表からのごあいさつ

女性教員比率と女性管理職比率が比較的高い奈良女子大学、イノベーションによって新しい働き方改革を進めてきた先進企業の株式会社プロアシスト、帝人フロンティア株式会社、佐藤薬品工業株式会社、女性の工学分野への進学を推進している奈良工業高等専門学校、健康・スポーツ科学部や薬学部を有し日本の女子大学で最も学生数が多い武庫川女子大学、これらの特徴をもつ2女子大学、1高専、3企業が連携して、奈良県から関西圏における中小企業を含めた企業と大学・研究機関における研究環境整備と、女性研究者比率および女性管理職比率の向上を推し進めます。

国立大学法人 奈良国立大学機構 奈良女子大学 学長 高田 将志

奈良女子大学学長の写真

2019年度に採択された文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」も2024年度が最終年度となります。この間、奈良工業高等専門学校、武庫川女子大学、株式会社プロアシスト、帝人フロンティア株式会社、佐藤薬品工業株式会社と本学とが連携して、ダイバーシティ研究環境の実現に向けて取り組んで参りましたが、本年度の取組・活動をその集大成として展開できればと考えております。

本学は、基本理念の第1に「男女共同参画社会をリードする人材の育成」を掲げ、2005年11月に男女共同参画推進室を設置しました。2006年度には文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成事業」、2010年度には文部科学省科学技術振興調整費(2011年度より文部科学省科学技術人材育成費補助金)「女性研究者養成システム改革加速事業」に採択され、全学を挙げて男女共同参画のための環境整備、ワーク・ライフ・バランス支援、意識啓発、女性研究者採用・昇進の促進等の取組を進めてきました。前2回の事業成果も踏まえながら、今回の事業では、「訪問型」病児・病後児保育システムのモデル構築、女性研究者の研究力向上・リーダー育成、女性研究者の上位職登用促進のための新たな取組・制度を立案し、協力機関を含む関西圏の機関にも波及させたいと考えております。この事業の目的を達成するためには、6連携機関と協力機関の活発な交流と積極的な事業への参画・遂行が必要となります。関係機関の皆様には、なお一層のご指導・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

独立行政法人国立高等専門学校機構奈良工業高等専門学校 校長 近藤 科江

奈良高専校長の写真

国立高専機構は、平成27年度ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)に採択され、男女共同参画推進意識啓発、女性研究者のライフイベント及びワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境整備、研究力向上などを目的として、様々な取り組みを行ってきました。本校では上記の活動に積極的に参加するとともに、近畿地区高専と連携し、女子学生のキャリア形成支援事業として 「高専女子フォーラム」を毎年継続開催するなど、女性研究者・技術者の裾野拡大のための様々な取り組みを行っています。

ダイバーシティ&インクルージョン活動として、ひとりひとりの個性を尊重し、全ての学生・教職貝が興味や好奇心を抱き、だれもが成長を実感して将来を夢みることができる環境整備を目指しています。具体的には、意識啓発やリーダー養成のためのセミナー、研修会、講演会を通じて、未だに少数に留まっている女子学生の増貝への取組に対する理解を深めたり、研究費支援制度や研究支援員制度の構築と支援開始、奈良女子大学の「訪問型」病児・ 病後児保育システムの共同利用などにより、教職員の生きづらさを解消したりする取組をしています。また、産官学連携事業やHPを通じて、本事業の情報発信や情報交換を行い、地域における女性研究者・技箭者の育成に貢献して行きたいと考えております。

学校法人武庫川学院 武庫川女子大学 学長 瀬口 和義

武庫川女子大学長の写真

武庫川学院は、創立100周年に向けたMUKOJO Vision 「一生を描ききる女性力を。」を掲げ、その実現に向けて全学を挙げて取り組んでおります。また、令和4年度からは、「新しい武庫女教育」プロジェクトの一環として、女性を取り巻く諸課題についての理解を促す「MUKOJO未来教育プログラムSOAR(ソアー)」をスタートさせました。

平成24年度に文部科学省「女性研究者研究活動支援事業」に採択されたのを機に、女性研究者支援センター(令和2年度に女性活躍総合研究所に昇格)を立ち上げ、男女共同参画推進課と共にソフト、ハードの両面で女性研究者の支援を続けております。その活動を基礎として、本事業では、12学部19学科、大学院8研究科を有する我が国最大規模の女子総合大学としての特色を活かし、代表機関及び共同実施機関と連携 ・協力しながらダイバーシティ研究環境実現を推進しております。本学では特に女性研究者の研究力向上、女性リーダー育成、女性研究者の上位職への登用に力を入れておりますが、今後は更に本事業成果の地域への普及にも取り組んでまいります。

株式会社プロアシスト 常務取締役 吉田 明子

株式会社プロアシスト常務取締役の写真
「永久的不滅にて前進あるのみ、そして信頼と安心と安らぎを社会に与え続ける」

これは、プロアシストの社是であり、創業者である生駒京子が全身全霊で目指した姿です。
創業以来、この社是のもと、私たちはお客様のビジネスの成功をお手伝いするため、お客様を支え続けるビジネスパートナーでありたいと努めてまいりました。現在は、IT技術を中心にして、お客様の課題解決策のご提案やクラウドサービスのご提供、そして弊社の技術を基盤にした小型脳波計などの製造販売も行っています。

また創業当初より、ダイバーシティ経営として、年齢・性別・国籍不問!に取組み、
2015年には経済産業省「ダイバーシティ経営企業100選」を受賞しました。
こういった活動を通じての私たちの行動スタイルは、

  • 多様な人材の獲得・活躍で会社の可能性が広がる
  • ライフイベントにこだわることなく、仕事を続けることができる
  • 女性男性ともに「仕事と家庭の両立」を進める
創業者の理念を継承し、これからも社員一同一致団結し取り組む所存です。

帝人フロンティア株式会社 技術統括部 部長 益田 剛

帝人フロンティア株式会社 技術統括部 部長の写真

帝人フロンティア株式会社では、2003年から帝人グループで展開を開始した「女性活躍推進活動」に参画、社内に「女性活躍推進委員」を置き、社内風土変革プロジェクトの一環として活動を進めて参りました。具体的には、新卒総合職採用においては、「女性採用比率30%以上」という目標他を掲げて活動を継続しています。

2007年からは「ダイバーシティ推進委員」へ改称し「多様な人材が活躍できる」性別に関係なく、能力を最大限発揮し、活躍できる雇用環境の実現を目指しています。弊社での活動経験を活かしダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業活動の一助として貢献できることを、また、本事業で得られる成果が弊社で生かせるなど双方にとって有益な活動となるよう取り組んでいきたいと思います。

佐藤薬品工業株式会社 代表取締役会長 佐藤 進

佐藤薬品工業代表の写真

弊社は1947年の創業以来、社是に謳う「国民の保健衛生に貢献する」を経営の第一義に、医薬品の製造販売業を営んでまいりました。現在の主たるビジネスとしては、大手製薬会社様からの受託製造と、自社品の製造販売、また健康食品の企画開発から販売までを行っております。

弊社に於ける女性社員の割合は全体(2023年12月現在)で約40.4%、平均年齢は37.2歳です。若い世代の女性が活躍してくれており、やはり家事・育児と仕事との両立をしながら頑張ってくれています。そんな女性社員の活躍を推進支援する環境づくりにも積極的に取り組んでおり、育児休暇制度や短時間勤務制度などに加え事業所内託児所を運営しております。それらの取り組みもあって出産後も働き続けてくれる社員も多くなっております。

今後の課題としては、女性管理職者の割合を増やすことが挙げられます。能力の高い女性社員は多くいますので、管理職を目指そうと云うモチベーションを持ってもらえるように環境づくりをしながら育成してまいりたいと考えております。